2016-01-01から1年間の記事一覧

なみだと砂と星と真ん中

☆なみだ なみだをながしました あなたのためです なみだをふきました わたしのためです ☆砂 私は砂粒でできていて だからよく 取りこぼしもあるのだけれど 乾いていく体から 砂粒が滑って行く 一粒を数えては 月にかざして 私の周りも砂粒で成っていて だか…

わたしの犬

飼ってる犬が年とって弱ってきたので、私は寂しくて悲しくて、もっとかわいがってやればよかったとかいつ死ぬんだろうとかばかり考えていて、父と母は犬の墓の話をしている。いつも暖かい犬が、冷たくなっているところを想像すると怖い。目は閉じて眠るよう…

一瞬のきらめきを懐かしく思える日はあと何瞬したら来るのだろう

ぐずついた心臓の中でもいちばん煮崩れしやすいところが、うずいてしまって仕方がない。つまり恋だ。君を目にすると私は動悸が激しくなるし、体は発汗するし、喋るのもどもってしまう。 ぐずついた心臓の中でもいちばん冷めやすいところが、けちばっかりつけ…

サボテンの山で傘を振り回したら電車に轢かれたよ生きるって素晴らしい

☆何もできそうにないこと 私という人間は私が大好きで、常に頭の半分は「自分のこと」で占められている。だからこそできる限り「誰かのこと」も考えているのだけれど。 躁鬱が激しすぎる。今はわりと安定した気分だから悩みがほとんど!ない。でも今週の平日…

鏡と悪魔

鏡と悪魔 鏡を上にしたまま置いておくと、夜の間に悪魔が鏡に入り込むんだって、という話を聞いた。何も特筆すべきことがない今日の中で、そのいかにも都市伝説らしい話は、よりいっそう怪しさを纏っていた。 二十何回目のスヌーズで起きて、六時四十六分の…

生けるアステリスクたち

屋根の上、瓦はぬるく足の裏を冷やす。生温かい空気が肺に沈み込む夏の夜。見上げずとも目に飛び込んでくる夜空を、僕は受け止めた。受け止めきれなかった夜は、首を回して捕まえた。 駆け足の雲が月に追いついた。太陽の沈んだ世界は色彩を奪われ、わずかな…

暁の頃には地球を出ます

明日の朝にはもう出発します。 時計の針が二十三時すぎを指しています。今はまだ今日ですから、あなたがこれを読むのが明日であっても、ここでの基準は「今日」です。 明日の朝、あなたが枕から顔を起こして、カーテンを開けて、眩しさに目を細める。その瞬…

処女作

おひさまのまんまるのおしりが、西の山とあいさつをしたころでした。 びんちゃんは目を覚ましました。そこはひろいお庭のようでした。花壇からは溢れんばかりに色とりどりの花が咲き誇り、芝生は青々と刈りそろえられ、ずっしりとして丈夫そうな幹をたどると…

最近のわたし

ここのところ、文章と向き合える時間がなかなか取れず、ブログもご無沙汰になってました。三月に入って自由な時間が少しだけ増えるので、見たこと聞いたこと思ったことを徒然なるままに書いていきます。 ☆コーヒーと不眠 コーヒーのせいだった。おとといの夜…